仕事をしていると、不具合が発生して不良品をお客様に納めてしまったり、誤った製品を納品してしまったり(誤品納入)など不具合やトラブルが発生します。
そんな不具合やクレームが発生すると謝罪を求められることはもちろんですが、不具合再発防止対策書の提出を求められることが多いです。
対策書を書くことはとても大変で自分が通常行っている業務に上乗せして仕事が増えてしまうことになるので、残業が増えてしまったり通常業務がおろそかになってしまい、さらに不具合発生・トラブル発生など負のサイクルに突入してしまいます。
今回は不具合再発防止対策書をスムーズ作成できる為のポイントを解説していきます。
不具合再発防止対策書とは
まずは不具合再発防止対策書の説明をします。
一般的に対策書と呼ばれています。不具合・トラブル・クレーム等が発生したした場合に作成を求められることが多いです。工場での生産現場などで一度発生した不具合は二度と再発させないようにする為のツールとして使用されています。
不具合再発防止対策書の記入の流れ
会社や業種によって書式や言い回し等が違うかもしれませんが、一般的に再発防止対策の流れで説明していきます。
発生日時・内容⇒現状把握⇒要因解析⇒対策⇒対策効果の確認
上記の内容が一般的に不具合再発防止を行う手順になります。次に手順1つ1つのやり方について解説します。
発生日時・内容
発生した日付及び、わかれば発見・発生の時間も分かるなら記入しましょう、のちに実施する要因解析、対策立案で役に立つ場合があります。
内容は発生した出来事(異常・不具合・トラブル・クレーム)をわかりやすく端的に記入するようにしましょう。言い訳を交えたような書きまわしにならないようにしましょう。
ここでは発生日時・発生内容を記入することでいつどんなことが起こったのかという事が簡単にわかるように書けば問題ないと思います。写真やイラストなどを使ってわかりやすくするといいです、不良品と良品を比較できるようにするとわかりやすくなると思います。
不具合の事象などは社内のみで通用する言葉ではなくせけん一般的に使用されている言葉を選ぶとよりわかりやすくなります。
現状把握
現状把握では現在の生産方法や作業方法を把握するということです。
よく4M(人・機械・方法・材料)といわれます。この項目1つ1つに対して変化点、不具合点がないかを確認することで原因がわかるような仕組みになっています。
人…作業をしてくださっている作業者の事です。新人作業者だった、不良発生日が体調が悪かった、ルールを破って作業したなど人に対し原因を追究します。主に作業者の方へのヒヤリングが中心になりますが、威圧できな態度でのヒヤリングNGです。ここでは正直に全てお話してもらえるような雰囲気づくりを心がけてください、ここで嘘をつかれては原因は迷宮入りしてしまいますので。
機械(設備)…機械設備は生産を行うものですが生産中に設備の異常等はなかったかを調査します。規定された設定数値ないで設備を使用していたか?どこか壊れた状態で可動させていないかなど調査します。もう一つは設備ではありませんが工具や専用治具なども設備として分類されます。検査ゲージや組み立て工具、治具などの確認も忘れずに行いましょう。
方法…方法とは作業手順の事です。ものを作るために決められた作業手順通りに作業しても不良品が作られてしまう場合は方法(作業手順)に問題があるいうことになります。まずは作業手順書(要領書)は有るのかを確認します。作業要領書があれば①作業する人全員、要領書通りの作業は行えているか、②要領書の手順を守れば本当に良品が生産でできるのかを確認します。
材料…材料とは何かを加工して商品を製造するときに加工前の材料・原料に問題がないかなどの確認を行います。材料受入規格を満足する材料なのかを確認します。
要因解析
要因解析の方法はいろいろな形がありますが、ここでは一般的に多く知られているなぜなぜ分析を説明します。
現状把握によって縛りこまれた発生要因をなぜなぜを繰り返すことによって解析していきます。
発生要因にたいしてなぜそうなったのか?を5回ほど繰り返すことで真因にたどりつくことができます。絶対に5回繰り返す必要はありませんが一般的には5回といわれています。5回以上してもかまいません。
要因解析をしっかり行わないと間違った対策をとってしまい不具合が再発する可能性が大きくなるので注意しましょう。
なぜ・なぜを繰り返すときの注意事項ですが話の流れが矛盾しないように注意しましょう。どんどん掘り下げていく中でつい自分の都合のいいように話がすり替わってしまうことがあるので口に出して読み上げてみて話に矛盾がないこと確認することをおすすめします。
対策
対策は要因解析によって出された真の要因に対しての対策を行います。対策にも種類があります。
設備・システムなどを導入して対策を行うハード対策。ルール・やり方などを変えて対策を行うソフト対策があります。
ハード対策は時間もお金もかかりますが、再発防止の効果は高くなります。
ソフト対策は簡単かつスピーディーに対策が行えますが、人が変わったり人がルールを破ったりする可能性があるので信頼性の高い対策にするためには工夫が必要です。
対策内容を決めたら対策を行う担当者と対策納期を記入するようにしましょう。担当納期をしっかり決めないと対策がいつまで経っても完了しません。
対策効果の確認
対策効果の確認は対策が完了した1ヶ月後~3ヶ月後に確認します。対策した内容が守られているか、対策の効果はあるのか対策の有効性確認を行い問題なければ終了になります。
対策を維持継続するのはとても難しいです。ハード的対策の場合は効果の確認は簡単になりますが、ソフト対策になるとやり方が変わってしまっていたりするので念入りに確認しましょう。
まとめ
今回は不具合再発防止対策書の書き方、進め方を説明させていただきましたが、今回の内容一般的な基本の書き方になります。
実際に対策書を書いたことのある方にはわかると思いますが、真の要因がわかっていてもその内容を報告できない場合や、真の要因を隠して報告しなければならない場合も多くあります。
次回はそんな対策書の書き方もご説明できればと思います。
きれいごとだけでは不具合再発防止対策書は書けませんからね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも参考になると嬉しいです。
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